“ウロリの若煮”−ご飯とともに…
 夏の沖島    H23年度・夏 

平成23年・夏の話題
 
 大好評! 『ふなずし手作り講習会』


 今年も、御好評をいただいています『ふなずし手作り講習会』を7月11・12・13・14・15・17・22・25・26日に開催いたしました。
 今年は、昨年の御好評を受け、更に回数を増やして開催いたしましたところ、どの日も盛況で、多くの方にご参加いただきました。また、“昨年、漬けたふなずしがとても美味しかったから♪”と、嬉しいお言葉と共にリピーターの方も増え、今後、続けていく上での励みもいただきました。
 
  昼食には、昨年同様、“沖島の味”満載のお弁当を楽しんでいただきました。今回は、この「お弁当」をご紹介いたします。
 この“沖島の味”満載のお弁当は、沖島漁協婦人部“湖島婦貴の会”が作っています。沖島で水揚げされた新鮮な湖魚を使い、ひとつひとつ手作りしております。
 今回のメニューは・・・
“琵琶湖産天然うなぎの蒲焼き”、この時期、脂ののった“ビワマスの煮付け”、“スジエビのかき揚げ・湖魚の天ぷら”、“小アユの若煮”、“えび豆”など、どれも沖島ならではの味を楽しんでいただける品々です。

※ 湖島婦貴の会では、お弁当の予約を承っております。ご来島の際に、ぜひご利用くださいませ。(TEL:(0748)33-9511
 

 沖島コロッケ 『第1回 滋賀B級グルメバトル in浜大津サマーフェスタ』に出場!

 昨年12月より企画・開発をしてまいりました“沖島コロッケ”が、“沖島よそものコロッケ”と名を改め、『第1回 滋賀B級グルメバトル』(7月30、31日に開催)に出場いたしました。
 この「沖島コロッケ」は、昨年開催いたしました「うなぎ祭り2010」にブラックバスを使った外来魚コロッケを出品したことがきっかけとなり、“外来魚の栄養価の高さに着目し、外来魚の利用価値を高めるとともに、琵琶湖の環境保護、沖島の活性化につながるのでは・・・”との期待から、NPO法人「近江八幡市中間支援センター」、竃リ場 ひさご寿司さんのご協力を得て開発してまいりました。その後、試食会、“つながり広場2011”で試食をかねた初販売等でのご意見を参考に改良を重ね、今回、“沖島よそものコロッケ”と名を改め、出場させていただきました。
 “味”は、当初のプレーン(塩味)とカレー味の2種類からプレーンのみにしぼり、おから、ハーブなどを加えたクリームコロッケ風で、「臭みがない」、「冷めても美味しい」と好評です。
 この夏以降、近江八幡市内の店舗で本格的な販売も予定しております。お越しの際は、ぜひお試しくださいませ。


※ “よそもの”とは、琵琶湖固有種に対して「外来魚=外から来た魚」という意味です。

  

 沖島の夏は、初夏の頃から、ビワマス、ウナギ漁が始まり、7月に入ってウロリ漁も最盛期を迎えると、いよいよ夏本番です。  
“カラフルな漁網”
 漁網の手入れは日々行いますが、漁網の染色は、夏の暑い時期に行います。夏の日差しが染色した漁網をよく乾かしてくれるからです。
 最近は、カラフルな色に染め上げるのが流行で、港のあちらこちらに漁網のカラフルな花が咲きます。夏到来を告げる風景のひとつです。

 
“ふな寿司の漬け込み”
 夏の土用の暑い日に鮒寿司の漬け込みをします。春に卵を抱えた“ニゴロブナ”をウロコと内臓を取って塩漬けしておいたものを、いよいよ米飯で漬け込むのです。
 夏の土用の頃に行うのは、ふな寿司は最初に発酵を進めることが重要で、この夏の暑さが最適だからです。
 こうして、漬け込まれたふな寿司は、11月下旬〜年末年始にかけて食べ頃を迎えます。

 今年も“ふな寿司の手作り講習会”を行いました。写真をクリックすると講習会(H21年度開催)の様子が御覧いただけます。
“ここをクリック” 
      《桶に漬け込まれていくふな寿司》
写真をクリックして下さい

夏ならではの味  

   “ウロリの若煮(佃煮)”・“ウロリの釜揚げ”
 夏に漁の最盛期を迎える“ウロリ”は、“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。
 “ウロリの若煮”は、沖島で水揚げされたウロリを昔から沖島の漁師の家庭に受け継がれている炊き方で炊き上げたものです。佃煮より短時間で炊き上げるので、柔らかく、また水飴等も使わないので、甘辛くてもあっさりとした味に仕上がります。暑くて食が進まない時にも、ご飯が進む一品です。
 “ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにしていただきます。ウロリは鮮度が落ちるのが早く、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。

※ “ウロリの若煮”は漁協婦人部湖島婦貴の会の屋台(漁協会館前)で販売中です。
“うなぎの蒲焼き・白焼き” 
 琵琶湖産天然うなぎは、特大サイズのものが多く、肉厚で脂がとても良くのっています。夏のこの時期は、蒲焼き・白焼きが絶品です。
 特に白焼きは、うなぎ本来の味を楽しむことができます。また、ポン酢・生姜醤油で味わうのも、さっぱりしていて暑い夏にピッタリの一品です。


  
  《うなぎを炭火で焼いています》


        《ビワマスの刺身の調理例》       

“ビワマスの刺身”
  初夏の頃から、ビワマスの漁が始まりますが、夏のビワマスは特に脂がのっています。
 この時期の新鮮なビワマスを、お刺身でいただくと“トロの刺身”といえるほどの味わいです。

“うなぎのじゅんじゅん”
 “じゅんじゅん”とは、この地方で言う“すき焼き”のことです。作り方は一般のすき焼きと同じですが、肉類等のかわりに“うなぎ”を入れます。食べ方も一般的なすき焼きと同様、溶き卵にからめたりして頂きます。
 また家庭では、写真のようにいろいろな具材を入れるのではなく、玉ねぎとうなぎだけですき焼き風にしたりもします。


     《うなぎのじゅんじゅんの調理例》

《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合

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