“亀の子タワシで、鮒を丁寧に磨きます”
“磨いた鮒は風通しのよいところで、昼食タイムの間、干しておきます”
“銀色に輝く磨かれた鮒”
“ウロリの若煮”−ご飯とともに…
 夏の沖島    H24年度・夏 

平成24年・夏の話題
 
  最盛期“ウロリ”が豊漁です♪


ご飯がすすみます♪“ウロリの若煮”

 
今年は、“ウロリ”が例年に比べ豊漁の兆しです。
 “ウロリ”とは“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。
 今回は、この“ウロリ漁”についてご紹介いたします。
 “ウロリ漁”は、琵琶湖で古くから行われている漁のひとつで、7月中旬頃に解禁となり、最盛期を迎えます。
 漁法は、沖びき網という底びき網漁の一種で、漁船を使用して網を仕掛け、いかりで固定した船で仕掛けた網の両端の綱(ロープ)をウィンチで巻き上げます。
 網は蚊帳のように細かなもので、水深10mくらいまでのところに仕掛け、湖底に沿わせながら網を引く速度に注意して巻き上げます。
 漁は、1回(1網)30分くらいかけて行われ、夜明けから朝9時頃まで繰り返されます。
 獲れた“ウロリ”は釜揚げ・若煮(佃煮)・天ぷら(かき揚げ)でいただきます。中でも“ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにしていただきます。ウロリは鮮度が落ちるのが早く、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。


※ 「ウロリ若煮」は、漁協婦人部“湖島婦貴の会”の屋台(漁協会館前)で、販売致しております。また、通信販売も行っています。
 詳しくは、「通信販売−“沖島家庭の味”宅配便」をご覧ください。

 大好評! 『ふなずし手作り講習会』
   今年も、御好評をいただいています『ふなずし手作り講習会』を琵琶湖汽船との共同企画で、7月6・8・10・14・17・20・22日に開催致しました。
 今年も暑い中、昨年同様、御好評いただくと共にリピーターの方も年々増え、夏のイベントとして定着してまいりました。
 講習会は、10時頃から午後4時頃までかけて行われます。昼食タイムには、沖島漁協婦人部“湖島婦貴の会”手作りの“沖島の味”満載のお弁当(要予約)を楽しんでいただけます。一日がかりの作業となりますが、お子様連れで参加される方も多く、ご家族で琵琶湖の自然と伝統に触れていただける機会としても続けていければ・・・と願っております。
 

 お知らせ

 沖島では、8月15日(水)に“夏祭り”が開催されます。この機会に沖島に足を運んでみませんか♪

 

  

 沖島の夏は、初夏の頃から、ビワマス、ウナギ漁が始まり、7月に入ってウロリ漁も最盛期を迎えると、いよいよ夏本番です。  
“カラフルな漁網”
 漁網の手入れは日々行いますが、漁網の染色は、夏の暑い時期に行います。夏の日差しが染色した漁網をよく乾かしてくれるからです。
 最近は、カラフルな色に染め上げるのが流行で、港のあちらこちらに漁網のカラフルな花が咲きます。夏到来を告げる風景のひとつです。

 
“ふな寿司の漬け込み”
 夏の土用の暑い日に鮒寿司の漬け込みをします。春に卵を抱えた“ニゴロブナ”をウロコと内臓を取って塩漬けしておいたものを、いよいよ米飯で漬け込むのです。
 夏の土用の頃に行うのは、ふな寿司は最初に発酵を進めることが重要で、この夏の暑さが最適だからです。
 こうして、漬け込まれたふな寿司は、11月下旬〜年末年始にかけて食べ頃を迎えます。

 今年も“ふな寿司の手作り講習会”を行いました。写真をクリックすると講習会(H21年度開催)の様子が御覧いただけます。
“ここをクリック” 
      《桶に漬け込まれていくふな寿司》
写真をクリックして下さい

夏ならではの味  

   “ウロリの若煮(佃煮)”・“ウロリの釜揚げ”
 夏に漁の最盛期を迎える“ウロリ”は、“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。
 “ウロリの若煮”は、沖島で水揚げされたウロリを昔から沖島の漁師の家庭に受け継がれている炊き方で炊き上げたものです。佃煮より短時間で炊き上げるので、柔らかく、また水飴等も使わないので、甘辛くてもあっさりとした味に仕上がります。暑くて食が進まない時にも、ご飯が進む一品です。
 “ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにしていただきます。ウロリは鮮度が落ちるのが早く、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。

※ “ウロリの若煮”は漁協婦人部湖島婦貴の会の屋台(漁協会館前)で販売中です。
“うなぎの蒲焼き・白焼き” 
 琵琶湖産天然うなぎは、特大サイズのものが多く、肉厚で脂がとても良くのっています。夏のこの時期は、蒲焼き・白焼きが絶品です。
 特に白焼きは、うなぎ本来の味を楽しむことができます。また、ポン酢・生姜醤油で味わうのも、さっぱりしていて暑い夏にピッタリの一品です。


  
  《うなぎを炭火で焼いています》


        《ビワマスの刺身の調理例》       

“ビワマスの刺身”
  初夏の頃から、ビワマスの漁が始まりますが、夏のビワマスは特に脂がのっています。
 この時期の新鮮なビワマスを、お刺身でいただくと“トロの刺身”といえるほどの味わいです。

“うなぎのじゅんじゅん”
 “じゅんじゅん”とは、この地方で言う“すき焼き”のことです。作り方は一般のすき焼きと同じですが、肉類等のかわりに“うなぎ”を入れます。食べ方も一般的なすき焼きと同様、溶き卵にからめたりして頂きます。
 また家庭では、写真のようにいろいろな具材を入れるのではなく、玉ねぎとうなぎだけですき焼き風にしたりもします。


     《うなぎのじゅんじゅんの調理例》

《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合

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