“小アユ山椒入り若煮”

“塩切り鮒”の予約販売を行っています。
　詳しくは、こちらの
“”を
ご覧ください。

“内臓部分は、卵を傷つけないように、えらのところから取り出します。”

“ホンモロコの南蛮酢づけ”

　厳しい冬が過ぎ、小アユ漁やフナ漁が始まると、“沖島の春”到来です。
　沖島の春は、島の所どころに桜が咲き、山では“蕨”、“筍”、“よもぎ”などの山菜も採れたり・・・と
　のんびりとした懐かしい春の風景に出逢えます。

　今年も沖島に暖かな春がやって来ました。４月に入って暖かくなり始めたと思うと、気温が上がらず、とても寒い日があったりと天候が不安定な春を迎えています。そんな天候のせいか、沖島の桜にも異変がありました。
　そんな中、春の漁が始まり、ニゴロブナ漁、ホンモロコ漁は例年並みの水揚げとなっています。

　春を告げる“ニゴロブナ漁”“ホンモロコ漁”“小アユ漁”

　今年も３月１日からニゴロブナ漁が解禁となり、例年並みの水揚げとなっています。また、ホンモロコ漁も例年並みの水揚げで、２月後半から３月後半にかけては子持ちとなり、ひな祭りの頃に獲れるものは“ひなもろこ”と呼ばれ、特に美味しいといわれています。その他、スジエビも豊漁です。このように近年、ニゴロブナ、ホンモロコなどの水揚げ量が少しずつ増加してきている背景には、繁殖事業の効果があらわれているのでは…という声も聞かれます。
　また、昨年の秋から心配されていた“小アユ漁”は、春になり漁の最盛期を迎えましたが、残念ながら今年は例年の４０％ほどの水揚げでは…と予測されています。

　“小アユ”は、「氷魚(アユの仔魚)」から成魚になる前の春(３月～５月)にかけて獲れるものが、最も美味しいといわれています。若煮や天ぷらなどに調理しても身も皮も柔らかく仕上がります。ぜひ、この時期に“小アユ”をご賞味下さいませ。

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　沖島の“ひな祭り”

　沖島では、女の子が生まれると母方の実家がお雛さまを用意して御祭します。また、親戚の方々は“お祝いに…”とさまざまな人形を持って来られます。
　立春を過ぎる頃、家庭に伝わる歴代のお雛さまを御祭りし、お祝いにいただいた御人形をお飾りすると部屋いっぱいになるほどです。中には、百年くらい前のお雛さまも居られます。
　お供えには、「分け合って召し上がって下さい」という意味で“わけぎ”をそのままお供えしたり、漁に出て、ニゴロブナやホンモロコなどが獲れた日は、鮮魚のまま、お供えしたりします。
　こうして、ひな祭りの日を迎えると、昔は親戚中の女性だけが集まり、お膳を囲んでお祝いしました。今では、こうしてお膳を囲むようなことは少なくなりましたが、ひな祭りの日には、“ビワマスのちらしずし”や“じゃこのちらしずし”、“お赤飯”などを炊いてお祝いします。また、親戚の方々には「お宅のお雛さまにも召し上がってもらって…」という意味で、ちらしずしなどをお配りしたりします。
　こうして、簡略化はされてきましたが、昔からの風習が大事に受け継がれています。

沖島“桜まつり”開催・・・桜に異変が！
今年、初めての試みとして、漁協婦人部“湖島婦貴の会”主催の“沖島　桜まつり”を開催いたしました。　沖島では、春になると島のあちらこちらで桜が満開となります。特に島の西側の“桜のトンネル”は見事で、ちょっとした名所となっています。　そんな沖島の桜をぜひ楽しんでいただきたいと“沖島　桜まつり～桜の下で沖島の郷土料理を楽しみませんか♪～”を企画いたしました。開催当日(４月６・７日)は、あいにくの天気の中、お越しいただきまして本当にありがとうございました。来年につなげる励みとさせていただきます。　また、今年は沖島の桜に異変がありました。桜の花がまばらにしか咲かなかったのです。よく見るとつぼみにもなっていないようでした。長老の方々に聞いても、このようなことは今までなかったそうです。このところの天候のせいなのか…原因はわかっていませんが、来年は満開の花を咲かせてくれることを願うばかりです。
《例年の桜》		《今年の桜の様子》

_{～～春の風物詩～～～～～}

　小アユ漁は、“細目小糸漁”とよばれる刺し網漁で４月ごろから盛んになります。沖島では、刺し網にかかった魚を独特の方法ではずします。漁船に高く組まれた足場に網を掛け、その網を振るって魚をはずすのです。他で見られることもありますが、この方法は沖島発祥の方法です。そのため、この漁が始まる頃になると、漁船に高い足場が組まれはじめ、まさに沖島の春到来を告げる風景といえます
　また６月の決められた期間ですが、今はあまり行われない“沖すくい網漁”も行われます。沖すくい網漁とは漁船の舳先にとりつけた大きな網で、アユの群れごと、すくい取る漁法です。熟練を要する漁法です。

　“塩切り鮒”とは「ふなずし」の材料となるもので、春に獲った琵琶湖産の天然“ニゴロブナ”を丁寧にウロコと内臓を取り、３ヵ月程度塩漬けにしたものです。このころの鮒は卵を抱えており、「ふなずし」の中でも特に美味とされています。
　毎年、春が来ると、“塩切り鮒”の仕込み作業が始まります。水揚げされたばかりのニゴロブナを傷つけないように仕込むのは、とても手間のかかる作業ですが、美味しい「ふなずし」を作るには、手の抜けない重要な工程のひとつです。

　沖島の桜の開花は、少し遅めで毎年４月に入ってから咲き始めます。（写真はＨ２２．４．６撮影）
　島にはあちらこちらで桜が楽しめますが･･･特に西福寺を抜けて島の西側の桜並木は見事です。またケンケン山の登山道にある“お花見広場”では、お花見をしながら比良山系・比叡山を望む景色が楽しめます。

　「秋祭り」と同様、昔から島民が集う行事のひとつです。今年は５月２、３日に行われます。お天気が良ければ、御神輿が船に乗せられ、休暇村までを往復します。

_{～～春の味覚～～～～～}

琵琶湖のアユは、春に琵琶湖から川をのぼって大きくなるアユと、琵琶湖で生活して大きくならないアユがいます。大半はこの大きくならないアユで、小アユと呼ばれ、春に漁の最盛期を迎えます。　小アユは、佃煮として食されるのが一般的ですが、島では、天ぷら、唐揚げ、南蛮漬けなどにしても頂きます。小ぶりなので骨が柔らかいのは元より、アユ独特の風味もしっかり味わえる逸品です。 ※小アユの佃煮（若煮）は漁協会館前の「湖島婦貴の会」屋台または通販でお買い求めいただけます。	沖島では、“山菜”は４月から、“たけのこ”は５月頃から出始めます。　「煮物」にして頂くのが一般的で、山菜に小芋・ニシン（または油揚げ、棒だら）・たけのこ・ふき・赤こんにゃくなど５品くらいを一緒に炊いて頂きます。
	沖島に自生している“よもぎ”を摘んで作ります。中は餡子の丸いおだんごです。また、“さとだんご”と言われるもち粉によもぎと黒砂糖を入れて練ったおだんごも春の沖島の味です。

《参考文献》
・　「琵琶湖の幸　読本」　平成１９年９月発行滋賀県漁業協同組合