漁協の活動    私ども“沖島漁業協同組合”について御紹介いたします。

 

◆ 概 要

発 足… 前身を含めて100年を超える

正組合員数…99名(平成21年4月現在)

島内世帯数の約70%の世帯が加入し、漁業に従事しています。

その水揚げ等を取りまとめる組織として発足いたしました。

年令構成は、60代の組合員が一番多く、ついで70代、50代、40代という順になっています。近年、高齢化が目立ってきており、今後の課題ともなっています。

漁獲量としては、琵琶湖の漁業協同組合の中でも多く、全体の半分ぐらいの漁獲量を揚げています。

   

◆ 主な漁業

明治中期から昭和40年頃までは、(シジミ)漁が盛んでしたが、昭和36年頃から工場排水や家庭排水等により琵琶湖の水質が急激に悪化したため、シジミの漁獲量は激減し廃れてしまいました。

現在では、アユ、ワカサギ、スジエビ、ニゴロブナ、ウロリ、ビワマス、ウナギ等が主力となっています。

漁法は、漁船で行うものが主で、ほとんどは夫婦で漁を行っています。

“沖島漁港の桟橋から” 
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 《漁の春夏秋冬》
 春・・・  4月ごろからコアユの漁が盛んになります。“細目小糸漁”とよばれる刺し網漁です。この漁は、8月のお盆の頃まで行われます。
 沖島では、刺し網にかかった魚を独特の方法ではずします。漁船に高く組まれた足場に網を掛け、その網を振るって魚をはずすのです。他で見られることもありますが、この方法は沖島発祥の方法です。

 また6月の決められた期間ですが、今はあまり行われない“沖すくい網漁”も行われます。沖すくい網漁とは漁船の舳先にとりつけた大きな網で、アユの群れごと、すくい取る漁法です。熟練を要する漁法です。
 その他に琵琶湖の固有種である
“ニゴロブナ”もあります。卵を蓄えた春のニゴロブナは、鮒寿司にはかかせません
 夏・・・   琵琶湖固有種の“ビワマス”が最盛期を迎えます。漁法は、太目小糸漁と呼ばれる刺し網漁です。漁自体は6月から始まりますが、特に夏のビワマスは脂がのり美味しくなります。
 また7月中旬頃から“ウロリ”漁が始まります。
“ウロリ”とは、そうめんのように細く白い魚で成魚でも1.5pくらいの小さな魚です。そのため、蚊帳のような網を使った沖びき網漁で獲ります。漁は9月下旬ころまで行われます。
 その他に
ウナギ、この時期に脂ののったホンモロコも獲れ、“夏モロコ”と呼ばれています。
 秋・・・   8月後半頃から“ワカサギ”の沖びき網漁(底曳き網漁の一種)が始まります。
 また11月中旬頃から12月いっぱいまで、アユの稚魚(23cm)を獲る漁が行われます。これは食用としてではなく養殖用として捕獲します。
 冬・・・   ワカサギ、ホンモロコ、スジエビ、ニゴロブナ等が獲れます。冬になると魚が琵琶湖深くに潜るため、この時期は沖びき網漁(底曳き網漁の一種)が多くなります。
 また、琵琶湖固有種である
“イサザ”も漁獲されますが、近年、漁獲量が減っています。
 
“水揚げされたウナギ”    
 ◆ その他の取り組み

 琵琶湖のアユは、鮮魚(食用)として獲るばかりでなく、河川放流用や養殖用としても獲っています。琵琶湖産アユの漁獲量の安定を図るための取り組みです。

 また、琵琶湖固有種である“ニゴロブナ”、“ホンモロコ”なども減ってきており、資源回復の目的から外来魚の駆除等も行い、琵琶湖の環境保全にも努めています。


◆ 未来への取り組み

 近年、沖島でも高齢化が進み、組合としても深刻な問題です。これは、漁業だけで生計を立てるのは難しく、島の外へ働きに出なければならないことも一つの原因と考えます。

 そこで、新たな取り組みとして、島で獲れた魚を島で加工し販売すること、および観光事業に力を入れていくこと等を考えています。
  具体的には・・・
 ・ 沖島で獲れた“ニゴロブナ”を使って島で加工した“ふなずし”の販売
 ・ 観光では、“観光地引網”、“ふなずしの漬け込み体験”等各種イベントの計画
 ・ 外来魚を原料とした
“ペットフード事業”(H22年7月から)


  これらの取り組みが島の活性化、また琵琶湖の環境保全にもつながっていくことを目標とし、少しずつではありますが着実に進めてまいりたいと思います。

《参考文献》
 「琵琶湖の幸 読本」平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合連合会
 「滋賀の水産」(平成20年) 滋賀県農政水産部水産課

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