“春の沖島”
 令和6年度版

 厳しい冬が過ぎ、小アユ漁やフナ漁が始まると、
“沖島の春”到来です。
 沖島の春は、島の所どころに桜が咲き、山では“蕨”“筍”“よもぎ”などの山菜も採れたり・・・とのんびりとした懐かしい春の風景に出逢えます。
 令和6年・春の話題

 暖冬と言われていた冬が過ぎ、沖島も桜の開花とともに穏やかな春を迎えました。
 今年は暖冬の影響で桜の開花も早いのではと思われていましたが、3月の初めに沖島では積もるほどの雪が降ったり、桜のつぼみか膨らみかけた下旬には全国的に寒の戻りがあったりしたためでしょうか、今年の桜の開花は全国的にも記録的な遅さとなったように、沖島でも4月4日頃からようやく咲き始めました。昨年に比べると1週間以上遅く、特に昨年は観測データ上で史上2番目の早さで開花しただけに、より一層遅く感じられたように思います。
 また、桜の開花の様子も例年は漁港近くの桜から一斉に咲き始め、島の西側の“桜のトンネル”など島全体が満開となるのですが、今年は咲いてる木とそうでない木が点在し、“桜のトンネル”よりも湖近くの山桜が早く開花するなど開花の様子も例年とは異なっていましたが、6日(土)、7日(日)に行われた『沖島桜まつり』に間に合わせるかのようにほぼ満開となり、華を添えてくれました。
 このような桜の様子からも引き続き「異常気象」と言わざるを得ない状況が続く中、この先の琵琶湖の環境や漁業がどのような影響をうけることになるのか懸念するところではありますが、「今年も4年連続で『琵琶湖の全層循環』が確認される」、「漁協会館のリフォーム計画順調」など、明るい話題も聞こえてきます。また、今年も春の到来とともに多くの観光客の方々がお越しになり、年々、観光客の方々が増加していることは島の活性化にも繋がり、大きな励みとなっております。そんな春を迎えた沖島から、いくつかの話題をお届け致します♪

◆ 春の漁 好調な滑り出しとは言えません・・・
 今年も春の到来とともに漁の状況も冬から春へと移り変わってきています。今年の春の漁は全般的に好調な滑り出しとは言えない状況となっています。

春の風物詩“足場の組まれた漁船”
 昨年の春、危機的な状況だった“小アユ漁”は今年も現時点(4月9日)では不漁となっています。この冬の“ヒウオ(小アユの稚魚)漁”は日数はかかったものの、沖島では目標量(注文量)としていた14tを達成し無事に終えることができましたが、琵琶湖全体でみると地域によっては全く獲れないなど極端な差があったり、遅くふ化した稚魚を狙って1月に行った漁も全く獲れなかったなど、この先の“小アユ漁”が不安視されていました。そして、この春はその予測が的中した状況になっています。3月の後半頃から一部の地域のえり漁(小型定置網)で獲れ始めたものの、順調に獲れだした印象はなく入り方もばらばらで入れてた網を取り上げて休漁する地域もあり、産卵数とえり漁に入ってくる量が比例していない状況となっています。水産試験場のデータによれば平年の2、3割しかふ化しておらず、資源的にも少ないのでは…とされています。また、漁獲量は地域差が大きく、獲れている地域では例年並みの漁獲量があり、例年の2、3割の資源量では獲れるはずのない量が獲れているなど、説明がつかないような状況にもなっています。例年なら4月頃から小アユの「刺し網漁」が始まり、春の風物詩でもある“足場の組まれた漁船”があちらこちらで見られるのですが、今年は、いつから始められるか先行きが見通せない状況となっています。

 鮒ずしの材料として欠かせない“ニゴロブナ”も今年は昨年より獲れておらず、毎年開催している「鮒ずし手作り講習会」で必要となるニゴロブナも現時点(
4月9日)で必要量の半分ほどしか確保できていない状況です。この“ニゴロブナ漁”においては、ここ2、3年は安定して必要量を確保できていたことや、人工的に増やそうという取組みが功を奏し資源量も安定してきており、更には放流したものが親となって産卵し天然由来に育ってきているものが増えていることも確認されています。このような状況から、今年はサイズや卵の抱え方など魚の状態が一番良くなる3月に入ってから漁を始めましたが、魚自体は問題ないものの量だけが獲れていない状況となっています。コロナ禍前にも一度同じようなことがありましたが、その時は資源(魚)自体が少なかったためで、今年は水産試験場の見解では「資源(魚)自体は少なくない」とのことです。“ニゴロブナ漁”は4月までは沖引き漁で行われ5月いっぱいは刺し網漁で行いますが、刺し網漁は魚のサイズが揃ったものが獲れるものの、そのサイズのものしか獲ることができません。なんとか講習会の必要量は確保できるようにしたいのですが、これから小アユ漁が獲れるようになって来れば、そちらにシフトしてしまう漁師もいるため厳しい状況です。
 “ホンモロコ漁”は引き続き獲れてはいますが、天候などに左右されて居場所が変わるため漁がしづらく安定しない状況です。3月頃から獲れるものは“ひなもろこ”と呼ばれ子持ちで格別な味わいがありますが、5〜6月は産卵時期入るため採捕自粛期間となります。

 また、“イサザ漁”も獲れており、昨年に比べ水揚げ量は少なくはなっているものの、資源(魚)量は変わらないないと思います。昔は10年1度というサイクルで獲れるため“幻の湖魚”とも言われていましたが、最近はそのサイクルにあてはまらず、ホンモロコなどのようにデータ管理などもされていないため、その理由や資源量も把握されていないのが現状です。
 その他“スジエビ漁”も不漁が続いており、2月後半〜3月に入って少し獲れ始めましたが。例年に比べれば、さっぱり獲れないと言わざるを得ず、業者からの注文量をキャンセルする状況となっています。

 このような4月上旬の漁の様子からも今年の春の漁は順調なスタートとは言えず、この先不安が残る状況です。
例年より「水揚げ量」が減るということは「歩合金」が減ることとなり、漁協の財政にとっても大きな影響があり、漁師の高齢化のため年々組合員数が減ることによる財政難に追い討ちをかけることになりかねません。この組合員数の減少による財政の自然減の状況を補っているのは、毎年ご好評をいただいている『鮒ずし手作り講習会』による収入で、大きなウエイトを占めています。そのため、“ニゴロブナ漁”の不漁は特に影響が大きく、財政を補えるだけの講習会による収入が得られなければ死活問題になりかねないからです。
“小アユ” “ニゴロブナ” “イサザ” “スジエビ”

 このようなことからも不漁が豊漁へと転じてくれることを願うばかりですが、それだけに頼ってはいられないのが現状です。漁師の高齢化などにより財政状況が厳しいのは沖島漁協だけではなく、琵琶湖全体の漁協にも言えることです。今現在、琵琶湖に関わる漁協は大小あわせて30組合ありますが、その中でも存続が厳しい漁協もいくつかあります。そこで現在、進めようとしているのが“琵琶湖をひとつにする”いわゆる“漁協の合併”です。複数ある組合が一つになることで合理化を図り経費などの削減につなげます。また、行政指導もしやすくなることから琵琶湖と向き合う姿勢や認識などの統一化も図りやすくなり、琵琶湖を支える大きな原動力として貢献していくことができるのではないでしょうか。この“漁協の合併”は国からも推進されており、現在19の組合が参加を希望しています。私ども沖島漁協も参加を希望するとともにこのプロジェクトの副会長として、この取組みが生計が成り立つ漁業となり“後継者育成”、更には“琵琶湖の漁業存続”に繋がっていくと信じ、積極的に取り組んで参りたいと思います。
★ ご自宅でお気軽に湖魚の佃煮など“沖島家庭の味”を楽しんでいただきたく、沖島漁協婦人部“湖島婦貴の会”では通信販売も行っております。ぜひ、ご利用くださいませ。
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“いさざ若煮”

“えび豆”

“こあゆ山椒入り若煮”


◆ 琵琶湖…魚にとって良い状態といえるのに獲れないのは何故?
 今年も4年連続で3月11日に“琵琶湖の深呼吸”といわれる『全層循環』が起こったことが確認されました。また、3月末時点で琵琶湖の水位は+20cmとなり長く続いた渇水状態も解消されています。これらのことから琵琶湖の環境は数段良くなってきており、湖魚の生育にとっても良い状態が整っていると言えます。それなのに…何故、魚が獲れないのでしょうか。
 『全層循環』とは湖の上層部の水温が冷やされたことにより上層部の水が下層部に潜り込むことで下層部まで酸素が行き渡るなど琵琶湖全体の水質環境がほぼ均一になる現象です。この現象により琵琶湖全体の酸素量や水温は均一化されますが、唯一改善することができないのは“水質”です。
 琵琶湖の“水質”は、昔は琵琶湖で生育する「葦(よし)」や「水草」や「シジミ」などが担う“自然の浄化作用”で保たれていました。しかしながら、合成洗剤などの出現により琵琶湖に流れ込む水の水質が大きく変化し“自然の浄化作用”は崩されてしまいました。その結果、湖底にはヘドロが溜まるようになり湖魚たちの生育に大きな影響を与えてきました。その水質を改善しようと色々な取組みがなされてきていますが、一旦、崩してしまった浄化作用をもとに戻すことは非常に難しく解決策が見えないのが現状です。また、渇水状態も解消されましたが、水質自体は水が増えることで希釈はされるものの水質の改善には至らず、流れ込む雨水にも問題があります。このように“水質改善”はほぼ不可能に近い状況です。
 この春、全般的に漁が不調なのも、この琵琶湖の“水質”に問題があり、今年はそれに加えて昨年から続く“異常気象”なども湖魚の生長に影響を与えているのではないかと思います。“ニゴロブナ”においては、700万尾を放流しているのにこの春は100万尾しか獲れていません。あとの600万尾は「食害」、「水質の問題」、「異常気象などによる水温上昇」などにより育たなかったのではないかと思われますが理由は特定できていません。また、“小アユ”においては32億粒の産卵が確認され小アユの稚魚を獲るヒウオ漁はまずまずだったものの、その後はさっぱり獲れていません。その他の魚種においても成長が遅かったり、痩せていたりというという状況が見られます。このようなことからも、外的要因(異常気象)などもあると思いますが、琵琶湖の環境は良くなりプランクトンも豊富という条件が揃っているのに魚が増えないのは、「水質が魚に合っていないのではないか?」という疑問が生じてきます。他にも「水質が貧栄養化になっているのでは…?」とか「琵琶湖の環境が安定しないのは何故…?」などの疑問もでてきています。このような疑問に対して研究もされておりますが、残念ながら研究結果の報告のみで将来的なことについての分析にまでは至っていないのが現状です。
 このような状況下、人工ふ化などにより湖魚を増やそうと懸命な対策がされていますが、人工河川などによるふ化は費用がかかり、昔のような琵琶湖に戻すのは並大抵なことではありません。このことからも「人間が便利さなどを追求し失ったものはあまりにも大きい」ということを改めて念頭におき、今ある琵琶湖を守っていくことが重要なのではないでしょうか。

 大盛況“沖島 桜まつり” ご来島ありがとうございました♪
 〜沖島 桜week〜&“沖島 桜まつり”
 全国的にも今年は桜の開花が遅かったように、沖島でも昨年より一週間以上遅い開花となりましたが、今年も桜の開花とともに島を“桜色”に染めてくれました
 沖島漁協婦人部“湖島婦貴の会”では、この桜の季節を沖島の郷土料理とともに楽しんでいただこうと、4月1日(月)〜14日(日)までを
〜沖島 桜week〜桜色の沖島で郷土料理に舌鼓♪と称し、期間中の6日(土)・7日(日)には“沖島 桜まつり”を開催させていただきました。「桜まつり」ではお得な“お花見セット”を販売し完売させていただくなど、大変ご好評をいただきましたこと御礼申し上げます。6・7日以外の期間中はご予約にて販売させていただきましたが、こちらも大変多くの皆様にご予約いただき、ご好評をいただきましたこと、併せて御礼申し上げます。
また、今年は新メニューとして
“びわ湖魚グルメ「えび豆コロッケサンド」”も販売させていただきました。こちらも大変ご好評をいただき、「野菜がいっぱい入ってて美味しい♪」、「お土産にしたい♪」など、嬉しいお声をたくさん頂戴し、今後に繋がる大きな励みもいただきました。しかしながら、“お花見セット”をはじめ、どのお料理も予想を上回るご好評をいただき、出来る限りの対応をさせていただきましたがご希望に添えなかった皆様には心よりお詫び申し上げます。


沖島の味満載“お花見セット”

びわ湖魚グルメ
“えび豆コロッケサンド”
 今年の沖島の桜は4月4日頃から咲き始めました。今年は寒の戻りなどで全国的にも桜の開花が遅かったように、沖島でも昨年に比べ一週間以上遅く、特に昨年は観測データ上で史上2番目の早さで開花しただけにより一層遅く感じられたように思います。桜の開花の様子も気象の影響か、咲いている木とそうでない木が点在するなど例年とは少し異なりましたが、「桜まつり」の6・7日頃にはほぼ満開となり、華を添えてくれました。お天気も良かったことから、沖島通船の運航回数を増やして対応させていただくほど大変多くの観光客の方々がお越しになり、“桜色の沖島”を楽しんでいただけたのではないでしょうか♪ 私どももその活気あふれる様子に感謝申し上げるとともに、5年ぶりに戻った日常を実感し今後の活力をいただきました。
 現在、進められている「漁協会館のリフォーム計画」では会館1階の半分くらいに冷暖房完備のブース(部屋)を増設し、湖島婦貴の会が運営を担う「レストラン」も開設される予定です。これからも世代を問わず、楽しんでいただける…そんな“おもてなし”を目指して取り組んで参りたいと思います。

※ 今年の桜の様子は下記の「春の風物詩−沖島の桜」でも、
 ご紹介しております。

◆ 『鮒ずし手作り講習会』 今年も開催致します♪
  毎年、ご好評をいただいております『鮒ずし手作り講習会』(琵琶湖汽船・沖島漁協共同企画)を今年も開催させていただく予定です。日程など決まり次第、ホームページ等でお知らせさせていただきます。
 なお、お申込み方法など詳細・お問合せにつきましては、琵琶湖汽船ホームページをご覧下さい。

※沖島漁協ではお申込み等の受付しておりませんので、ご了承くださいませ。
〜〜春の風物詩〜〜〜〜〜 ここからは例年の“春の沖島”の様子をご紹介しております
小アユ漁
 小アユ漁は、“細目小糸漁”とよばれる刺し網漁で4月ごろから盛んになります。沖島では、刺し網にかかった魚を独特の方法ではずします。漁船に高く組まれた足場に網を掛け、その網を振るって魚をはずすのです。他で見られることもありますが、この方法は沖島発祥の方法です。そのため、この漁が始まる頃になると、漁船に高い足場が組まれはじめ、まさに沖島の春到来を告げる風景といえます
 また6月の決められた期間ですが、今はあまり行われない“沖すくい網漁”も行われます。沖すくい網漁とは漁船の舳先にとりつけた大きな網で、アユの群れごと、すくい取る漁法です。熟練を要する漁法です。
塩切り鮒の仕込み

 “塩切り鮒”とは「ふなずし」の材料となるもので、春に獲った琵琶湖産の天然“ニゴロブナ”を丁寧にウロコと内臓を取り、3ヵ月程度塩漬けにしたものです。このころの鮒は卵を抱えており、「ふなずし」の中でも特に美味とされています。
 毎年、春が来ると、“塩切り鮒”の仕込み作業が始まります。水揚げされたばかりのニゴロブナを傷つけないように仕込むのは、とても手間のかかる作業ですが、美味しい「ふなずし」を作るには、手の抜けない重要な工程のひとつです。

  “内臓部分は、卵を傷つけないように、えらのところから取り出します。”

 
 
“塩切り鮒”の予約販売を行っています。
 詳しくは、こちらの
“ここをクリック””を
ご覧ください
 
沖島の桜
 沖島の桜の開花は対岸より少し遅めで、4月に入ってから咲き始めることが多かったのですが、最近は少しずつ早まっているような感じがしており、今年も暖冬の影響で桜の開花も早いのではと思われていましたが、3月の初めに沖島では積もるほどの雪が降ったり、桜のつぼみか膨らみかけた下旬には全国的に寒の戻りがあったりしたためでしょうか、今年の桜の開花は全国的にも記録的な遅さとなったように、沖島でも4月4日頃からようやく咲き始めました。
 また、桜の開花の様子も例年は漁港近くの桜から一斉に咲き始め、島の西側の“桜のトンネル”など島全体が満開となるのですが、今年は咲いてる木とそうでない木が点在し、“桜のトンネル”よりも湖近くの山桜が早く開花するなど開花の様子も例年とは異なっていましたが、4月6日、7日にはほぼ満開となりました。(撮影日:R6年4月9日曇天・強風)
 島では、あちらこちらで桜が楽しめますが・・・ちょっとした名所ともなりました西福寺を抜けて島の西側にある“桜のトンネル”の湖面につきそうなくらいのしだれ具合は見事でなかなかない光景ではないでしょうか♪ その他、コミュニティセンター前の桜や漁港周辺の桜並木、沖島小学校の校庭など、島の至るところで満開の桜を楽しんでいだけます。
 
沖島春祭り

 沖島では毎年5月に“春まつり”が行われます。昔から島民が集う行事のひとつで春まつりの頃になると、島から離れて暮らす家族がみな集まり、お正月さながらの賑わいになります。
 お祭りは、前日の夜の“宵宮うつし”から始まり、島の神様“瀛津島神社”の本殿にお祭りするため、神輿倉からお神輿と太鼓を持って上がります。 次の日の祭り当日、14時頃からお神輿を担いでお宮さんから下がり、町内をねり歩き、神輿倉へと向かいます。昔は、天気が良いとお神輿を船に乗せ休暇村まで往復しましたが、最近は安全に配慮して行われなくなりました。
 こうして、16時頃には神輿倉に収め、公園では“なおらい”が始まります。
 昔から春のお祭りになると“ゆぐみだんご”を作ったり、沖島で採れた山菜、筍を使って“煮しめ”を作ったりして家族みんなでいただきます。“ゆぐみだんご”とは、餡の入ったよもぎだんごのことで、沖島の昔ながらの呼び名です。
 また、最近は祭りの次の日に子ども会の呼びかけで、“ケンケン山”へ登り、昼食会をする催しも始まりました。
 このように、昔とは少しずつ様変わりしながらも、沖島の大事な行事のひとつとして受け継いで行きたいと思います。

〜〜春の味覚〜〜〜〜〜
“小アユ”
 琵琶湖のアユは、春に琵琶湖から川をのぼって大きくなるアユと、琵琶湖で生活して大きくならないアユがいます。大半はこの大きくならないアユで、小アユと呼ばれ、春に漁の最盛期を迎えます。
 小アユは、佃煮として食されるのが一般的ですが、島では、天ぷら、唐揚げ、南蛮漬けなどにしても頂きます。小ぶりなので骨が柔らかいのは元より、アユ独特の風味もしっかり味わえる逸品です。
※小アユの佃煮(若煮)は漁業会館前の「湖島婦貴の会」屋台または通販でお買い求めいただけます。
“鮎山椒入り若煮”
“山菜・たけのこ”   
 沖島では、“山菜”は4月から、“たけのこ”は5月頃から出始めます。
 「煮物」にして頂くのが一般的で、山菜に小芋・ニシン(または油揚げ、棒だら)・たけのこ・ふき・赤こんにゃくなど5品くらいを一緒に炊いて頂きます。
“蕨(わらび)”
“よもぎだんご”
 沖島に自生している“よもぎ”を摘んで作ります。中は餡子の丸いおだんごです。また、“さとだんご”と言われるもち粉によもぎと黒砂糖を入れて練ったおだんごも春の沖島の味です
《参考文献》
・ 「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合


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