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R7年版
沖島の秋は湖の恵み・山の恵みと、まさに“実りの秋”です。また秋祭り等の行事が行われ、様々な恵みに感謝をする季節でもあります。
そんな“秋の沖島” に足を運んでみませんか・・・♪
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全国的に秋の訪れが遅かったように、沖島も11月に入る頃ようやく秋の気配を感じるようになりました。10月半ば頃までは暑さを感じる日もあるなど、この時期にしては日中の気温が高めの日が多く、10月下旬になって木々の色づきとともに寒さを感じるようになりました。また、雨が少なかったこともあり琵琶湖の水深が−50cmくらいから上がらず、日々減っている状況も続いています。
そんな天候のなか紅葉も11月に入った頃ようやく桜の木々から色づき始めました。徐々に島内や山あい広葉樹へと紅葉が進み、11月下旬頃に見頃を迎えました。今年はもみじの色づきがよく、その鮮やか紅葉風景は短いながらも秋を感じさせてくれるものとなりました。
そんな秋を迎え、今年も秋の恒例行事である「秋祭り」や「沖島学区運動会(10/6)」、「沖島学区文化祭(11/1、2)」、イベント「おきしまるしぇ(11/2)」も滞りなく開催することができました。「おきしまるしぇ」では天候に恵まれたこともあり、800人ほどにわたる多くの方にお越しいただき大盛況となりました。このように多くの観光客の方々にお越しいただけるようになってきたことは、島の活性化に繋がることと喜びを感じるともに様々な課題も生じてきており、観光事業と島民生活の共生を図っていくことの重要性も実感しております。また、この冬からは「沖島漁協会館改修工事」も始まり、島の様子も少しずつ様変わりしていきます。
そんな秋を迎え、冬の足音も聞こえ始めた沖島から、いくつかの話題をお届け致します♪
◆ 沖島の紅葉 今年も色づき遅く・・・
今年の沖島の紅葉は、昨年同様に遅く11月に入った頃から桜の木々が色づき始め、例年のように徐々に島内や山あいの広葉樹へと紅葉が進み、11月下旬頃に見頃を迎えました。
今年は島の西側「桜のトンネル」の紅葉が強風の影響を受け、紅葉したものの早くに葉が落ちてしまったり、毎年絵になる紅葉風景だった「瀛津島(おきつしま)神社」のもみじは隣り合う大木が倒れかかって危険なため共に伐採されるなど、寂しいこともありましたが、その他の木々たちは今年も色鮮やかに紅葉し、特に島内の“もみじ”の色づきが良く鮮やかな紅葉を楽しませてくれました。
“昨年の瀛津島神社の紅葉”
例年、沖島の紅葉は、沖島漁港の桜並木、島の西側の「桜のトンネル」から色づき始め、島内や山間の広葉樹へと紅葉していきます。その色づき方は気温だけではなく琵琶湖の水温の変化にも左右されるため、毎年その年ごとに少しずつ違う紅葉風景を楽しませてくれます。
今年もこの夏の猛暑で紅葉に影響が出るのでは…との心配もありましたが、遅くなったものの今年も見事な紅葉風景となりました。短いながらも“秋”を感じさせてくれたことに感謝です♪
(写真撮影日 2025/11/21 曇り時々晴れ)
“島の西側「桜のトンネル」”
★ 沖島の紅葉写真は、こちらからもご覧いただけます。・・・◆沖島 紅葉アルバム
◆ 今年の秋の漁は・・・
今年も猛暑に見舞われた夏が過ぎ、夏から秋へ…そして冬の漁へと移り変わってきていますが、漁の状況は総じて相変わらず厳しい状況が続いています。
そんな状況のなかでも一番水揚げがあるのは“ワカサギ漁”です。“ワカサギ漁”は夏の終り頃から少しずつ始められ9月〜10月は深夜23時頃から明け方5時頃まで漁をし、11月に入る少し前頃からは明け方から昼11時頃まで漁をします。9月〜10月には昨年ほどの豊漁ではないものの例年並みの水揚げがありましたが、11月に入った頃から少しずつ水揚げが減ってきています。この状況は、9月〜10月にかけては浅いところで大きな固まりとなっていたため漁がしやすかったのですが、11月に入った頃から魚が深いところへ移動し固まりもばらけてしまうため、漁がしづらくなることによるものと思われます。また、魚の大きさも9月頃は5〜6cmほどだったものが11月頃には15cmくらいになり、子持ちになっているものもいます。昔は2〜3月に子持ちになっていましたが年々早くなり、今年は11月の時点で見かけるようになり、大きさも3ヶ月で3倍になるなど成長の早さに驚きを隠せません。
“わかさぎ若煮”
“ホンモロコ漁”は9〜10月にかけてはあまり獲れませんでしたが、最近(11/21現在)少しずつ水深の深いところで獲れるようになってきました。これから水温が下がる冬に向けて深いところに移動してくるため、徐々に水揚げも増えてくると思われます。
“本もろこ南蛮酢漬け”
“えび豆若煮”
昨年の冬から不漁が続いている“スジエビ漁”は現在も獲れない危機的な状況が続いています。しかしながら、最近“ワカサギ漁”の網に一握りずつ入ってくるようになってきたことから、資源的にはいると思われ冬の到来とともに姿を現してくれるこを期待しております。
禁漁期間だった“ビワマス漁”は12月から解禁となりましたが、この時期は水深の深いところにいるため、通常の刺し網漁では届かず、深いところまで網を入れたとしても引き上げることが困難なため、例年刺し網漁は行われません。
また同じく禁漁期間だった“小アユ漁”も12月から解禁となり、えり漁(小型定置網漁法)で「特別採捕」の“ヒウオ漁”が始まります。この漁は養殖用、放流用の種苗としてアユの稚魚を獲るのが目的であり、養殖業者からの注文など今年の需要に合わせて漁獲量が計画されます。アユの稚魚は体が透きとおって見えることから“ヒウオ(氷魚)と呼ばれています。
“ヒウオ(アユの稚魚)”
昨年の“ヒウオ漁”は危機的な不漁で注文量を達成することができないまま漁を終えました。このことは、昨年の猛暑による影響で産卵時期の水温が高かったことから、自然産卵による稚魚も人工河川による産卵・ふ化した稚魚も育たなかったことが原因とされています。このような状況を踏まえ、今年は、人工河川による産卵・ふ化については放流する時期をずらしたり、放流する量を増やすなどの対策がとられました。また自然産卵においては、以前は9月末〜10月のウロリ漁の網にヒウオが入ってきたりしてましたが最近はなく、今年も見かけないことから期待できないと思われます。このことからも人工河川による産卵・ふ化に期待がかかりますが、これまで雨が少なかったため琵琶湖だけではなく河川の水量も少なくなっているため、川で産卵・ふ化した稚魚が琵琶湖に下って来られないのではないか…との懸念も残ります。この“ヒウオ漁”の不漁は、漁師だけでなく養殖業者にとっても「予定量が入ってこない」という困難につながります。このようなことからも、今年の人工河川の放流でとられた策が功を奏し、今年の注文量を達成できることを願うばかりです。
このように漁の様子を紹介して参りましたが、その漁場となる琵琶湖は夏から続く渇水状態が現在も続いています。今年の梅雨は雨量が少なかった上に、この夏の猛暑も影響し渇水状態となりましたが、それ以降も雨が少ないため、−50cmから水位が上がらない状況です。水温については平年並みと言われていますが、昨年は渇水に加え産卵時期の水温も高かったため、ふ化した稚魚などが育たず危機的な状況を招いたことなどからも、現在の琵琶湖の状況がこれから先の漁にどのような影響をもたらすかは図り知ることが出来ず、不安材料となっています。
12月からは“ヒウオ漁”が始まり、漁も「秋の漁」から「冬の漁」へと移り変わってきています。小春日和のような日が続いたかと思うと各地で平年より早い初雪が観測されるなど、このような気象の変化は、この冬の漁にどんな形となって現われるかは図りし得ませんが、少しでも良い形となってくれることを願うばかりです。
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“琵琶湖のさかな”食べてみませんか♪
◆ ◆ふなずし手作り講習会◆ 11月25・26・27日に“樽だし”しました♪
お待たせ致しました。今年もこの夏「ふなずし手作り講習会」で漬け込んだ“鮒ずし”が樽だしの時期を迎えました。今年で講習会も17年目となり、今年も大変多くの方々にお越し頂き、和気あいあいとした笑顔がみえる講習会となりました。参加された方々の多くは、沖島での樽の保管を希望され、樽だしまで大切にお預かりさせていただきました。
“沖島の鮒ずし”
今年の「塩切り鮒」は、この春の“ニゴロブナ漁”が豊漁だったことから、20cm以上の小さ過ぎず大き過ぎないサイズの卵の抱え方も良いもので揃えることができました。魚のサイズが揃っていることは漬け上がりにムラがなくなり、美味しく漬け上がることに繋がります。また、この夏の猛暑は充分な発酵を促す要因となるなど、今年は美味しく漬けあがる条件が揃い、より一層美味しい鮒ずしが出来たのでは・・・と期待が膨らみます♪
樽だしをした鮒ずしは、一尾ずつ丁寧に漬込んだご飯と一緒に真空パックにし、ダンボールに詰めて、ご自宅へお送り致しております。鮒ずしは発酵食品なので少しずつ発酵が進みますが、真空パックのまま冷凍保存していただければ、食べ頃の状態のまま長期保存していただけます。
@漬かり具合を見ながら一尾ずつ取り出しますAご飯を程よく残して取り出した鮒ずし
Bご飯と一緒に一尾ずつラップで包みます
Cラップで包んだ鮒ずしを一尾ずつ袋に入れます
D一尾ずつ真空パックにします
“鮒ずし”は、滋賀県を代表する名産品で滋賀県の無形民族文化財にも指定されています。昔は各家庭で保存食として漬込まれ、お祝い事などの料理の一品として、時には風邪や下痢などの薬として頂く日常的なものでしたが、今では家庭で鮒ずしを漬けることも少なくなってきています。
「ふなずし手作り講習会」も今年で17年目を迎えました。私どもの講習会では“現代のライフスタイルや住環境に考慮した漬け込み方”をご紹介ております。この漬け込み方は樽だしまで一切開封しませんので雑菌や虫害の心配も少なく、臭いが漏れることもありません。また、漬け込んだ樽は漁協でお預かり(有料)することも出来ますので保管場所に悩まれることもなく、より手軽に“鮒ずし”作りを楽しんでいただけるのではないでしょうか。毎年、同じ漬込み方で漬け込んでも、その年の天候、漬込み手の違いなどにより仕上がりは異なります。まさに「鮒ずし作り」は自然と人間の共同作業だと思います。自然の恩恵を実感し、手作りの良さ・楽しさも感じていただけたら幸いです♪
毎年「ふなずし手作り講習会の鮒ずしは食べやすい♪」と大変ご好評をいただいており、講習会を続けていく励みとなっています。この漬け込み方を多くの方に知っていただき、将来的には、“鮒ずし”が昔のように各家庭で漬け込まれる身近な食品となれば、嬉しい限りです。
★「鮒ずし手作り講習会」の漬込み方をご紹介しています⇒“おいしい鮒ずし”漬けてみませんか♪
◆ “沖島漁協会館改修工事”始まります
『沖島漁協会館改修工事』が、いよいよ始まります。
“現在の沖島漁協会館”
10月頃から各業者の現地確認等が始まり11月19日の島民説明会を経て、11月末から足場の組立て等の工事が始まりました。
この改修工事は漁協会館の老朽化による安全面の課題の修繕・耐震補強工事および沖島の魚食普及事業で活用するエリアの整備を行い、建物としての安心安全の確保、それに加え琵琶湖の魚をPRする場を整備し漁業文化の振興を進めていくことを目的としております。
また、この改修工事に伴う“クラウドファンディング”を公開させていただきました。多くの方々にご賛同いただき目標額を達成させていただくことができましたこと、心から御礼申し上げます。
『新・沖島漁協会館』の完成は令和8年初秋頃の予定です。工事期間中(R7.12/18〜)は現漁協会館と同じ敷地内の裏棟に「漁協組合の事務所」、「お食事・お土産販売所」を移転し仮営業させていただきます。ご不便等をおかけ致しますが、よろしくお願い致します。
また、工事期間中の日々の状況や事務所等の営業日・時間などの詳細は、漁協組合SNSで発信させていただきますので投稿からご確認いただきますよう、併せてよろしくお願い致します。
ここからは、例年の“秋の沖島”の様子をご紹介しております ![]()
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◆ 秋の行事 ◇ 秋祭り
毎年9月下旬から10月初旬頃に、さまざまな収穫に感謝をし“瀛津島神社”、“弁財天(厳島神社)”で行われます。
昔から、秋の収穫期にあたる頃に行われるため、春より簡素な形で行われてきました。現在では、「子供みこし」も催されるなど、内容は昔と様変わりしたところもありますが、感謝する気持ちは受け継がれています。
また、“弁財天”では、お祭りの前日、夕方頃から船で、神主さんとともに氏子、その子供達がお供えにお赤飯を持って参拝する風習があります。参拝後、お供えしたお赤飯で“おにぎり”を作ってもらって頂きます。島の子供達の秋祭りの楽しみのひとつです。この風習は今でも大切に受け継がれています。
◇ 先覚者の法要
昭和27年(1952)、沖島漁協に功績のあった方々を称え、“沖島先覚者碑”が建立されました。毎年、秋祭りの初日に先覚者の方々に感謝をし、ここで法要が営まれます。
◇ 島の運動会
毎年、沖島小学校と合同で行います。世代を超えて楽しめるイベントです。
◇ 魚貝類の虫供養
毎年、“先覚者の法要”と同日に漁に感謝をし、獲った魚貝類を供養するために行われます。